5才を過ぎてまもなく、キリオの羽の抜け替わりが少ないことに気づいた。
しかも、キリオは普通の文鳥と水浴びの仕方が違うため、
そのせいだろうとタカをくくっていたのだ。
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キリオは小さい頃、狭いカゴで実家〜仙台を行ったり来たりしていたため、
小さい水飲みでしか水浴びができなかった。
そのため、身体がすっぽりと収まらない小さい水飲みでは、
ザブッと風呂に入れないせいか、大きいカゴに移ってからも
身体が入る大きさなのに、縁に掴まってくちばしで羽に水を掛けるだけ。
ちょうどおもちゃの鳥がお辞儀をして、水を吸うのを繰り返すのと同じような
感じなのだ。
それなのに、びしょ濡れになったような気で羽も全然濡れていないのに、
バサバサと羽繕いをする。
しかもそのせいか、お尻は何となくゲリもしていないのに常に黄色かった。
(当たり前だ。お尻は洗っていないのだから・・・。)
とまぁ、こんな具合なので、白文鳥のはずがいつの間にか手垢の付いた
薄汚れた色へと変わっていた。
だが、抜け替わり時期で少しは白くなっても良さそうなのに、
いつまで経ってもきれいにならない。
何だかおかしい。
次第に、くちばしの付け根のてっぺんの辺りもハゲてきた。
ちょっと診てもらった方が良さそうだ。
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診察の結果、それは「甲状腺」の病気らしかった。
取りあえず、飲み薬2種類を交互に飲ませることになり、
2週間に一度の診察となってしまう。
そして、この後生涯を通じて、キリオと病気の闘いが始まったのである。
2週間に一度の定期検診での注射、そして飲み薬。
それを1年ほど続けたある日、キリオのハゲが治りつつあるのに気づいた。
ようやく薬の効果が現れ始めたのだ。
それに、羽の抜け替わりも少しずつだけど始まってきてる!
ヨカッタヨカッタ。と、思いきや、ある定期検診の時だった。
その症状が現れ始めたのは・・・。
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