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■出会い

■初めての入院と手術

■ハゲ発見!

■病気との闘い

■別れ・・・

■よもやま話


出会い
キリオがウチにきたのは、初めて仙台に住むことになった時だ。

姉上と何の気ナシに覗いた千葉のペットショップに、
2〜3羽の文鳥の子供がいたのである。

その時の子供が妙に忘れられなく、姉上に頼んでその文鳥を買ってきてもらい、
一人でご飯が食べれるようになるまで姉上に育ててもらった。
そしてその後キリオを引き取り、仙台へ連れてきたのだった。

当時、
知らない土地で一人でいるのが辛く、 そんな時なぐさめてくれたのは
いつもキリオだった。

寂しい時、辛い時、悲しい時、嬉しい時、いつも傍にいてくれたキリオ。
だから、当然キリオは、私にとってかけがえのない子になっていった。

実家に帰る時も、必ず長距離バスにキリオも連れて乗り込み帰っていたほど、
片時も離れられない状態に次第になっていた。

                 


仙台にいた頃、キリオの日課は、朝起きるとすぐにカゴから出してもらい、
窓際の朝日の当たる机の上で、日向ぼっこをしながら羽繕い。
その後、私がバイトに出かけるまで自由行動。
出かける間際に、「さあ、カゴへ入ろうね」と手を差し出すと、
イヤイヤをして散々逃げ回る。

逃げ回った挙げ句、私が泣き真似をすると、心配になって傍へ寄ってくる。
ここがポイントである。

ここで、キリオを捕まえられないと完全な遅刻だ。
ドキドキしながら、素早くキリオを抱き締める。
ようやく、これで今日も遅刻せずに済んだ!という毎日を過ごしていた。

仙台にいる間、私は諸々のストレスから実は、ちょい自律神経をヤラレていた。
そのため、毎日何をしてキリオと過ごしていたのか、
実のところ、あまり憶えていないのにこれを書いていて気づいた。(笑)

                 


そんな仙台から引越が決まったのは、1年半後のこと。
今度は埼玉だった。

引越が決まってからは、部屋のリフォームの打ち合わせで、
キリオも一緒に新居へ連れていくこともあった。
がらーんと何もない部屋で、響き渡るキリオの声(?)の中、
業者と打ち合わせをする。

その後、千葉の姉上の家へキリオを預けに行った。
”待っててね、キリオ。引越が終わったら、必ず迎えにくるから!”
泣く泣くしばしの別れである。

その3週間後やっと引越が終わり、姉上がキリオを我が家に連れてきてくれた。
”会いたかったよ、キリオ〜〜〜!!”
カゴから出してやるとキリオは、今までと違う家の中を落ち着かない様子で、
グルグルと飛び回っていた。

                 


キリオは一人っ子のためか、かなりの寂しがりやで甘えんぼだった。

例えば、私がトイレに行く時もついてくる。
(これはちょっと、何だか恥ずかしかったり。汗)

風呂に入っていても、洗面所のカーテンの隙間を脚で広げ入ってきて、
脱衣カゴの縁に止まって、風呂から出てくるのをずっと待っている。

「キリ、そこにいるの〜?」
と風呂場から声を掛けると、必ず返事をする。

「ちょっと待っててねぇ、今出るから・・・っ」
あたふたと風呂から上がり、キリオに見られながらも着替えを済ませる。
そんな感じであった。

そして、キリオは手の中も大好きだった。

撫でてもらうとウットリしている。一緒に布団の中で寝たりもする。
そのうちそれが普通になり、私が寝ていると布団に潜り込んで
くるようになった。

極めつきは、服の袖口や首からお腹へと入ってくるようになっていたことだ。
(私はもはやカンガルー状態。笑)

とにかく、隙あらば狙って入ってくる。
入ってきては、何やらモゾモゾ、くちばしでヒトのお肉をつねったりする。
しいては、ティッシュや魚、エビの尻尾までも持って入ろうとする始末。

どうやら布団や服の中は、キリオにとって自分の巣と同じらしかった。

とにかく呼べば返事をし、手招きや手を振っただけでも飛んでくるキリオは、
究極の手乗りへと育っていったのである。

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